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2006/04/29

水没

突然ですが、昨日四月二十八日深夜、部屋が水没しました(?)

ハア?何云ってんの?うん、文字通り、床上浸水。ヴェネツィア風に云うとアクア・アルタ。

いきなり“水没”とか書かれても、意味不明だと思われる。しかしながら、世界とはかくも不明瞭で不確定なものなのである。自宅で水害に遭ったとしても不思議ではない。そう、世の中に不思議なことなど何一つないのだよ・・・・・・

事の顛末は以下。昨日は夕飯にサッ○ロ一番塩ラーメンと白米のラーメンセットを食っていて小さな幸せに満たされていた。ラーメンのスープを飲み下してごちそうさま。さて、満腹感に包まれていると、なんか片付けが物凄く億劫になってきた。ゆるりとしていたい。食べてすぐ寝ると云々とは云うけれど、こういう時の惰性というものはなかなか抗い難いものがある。しかし、流石に食器を洗って台所回りを綺麗にしとかないと後が怖い。少々、渋ったものの、とりあえず食器を軽く流しながら水に浸しておくことで妥協した。しばらくすれば、やる気も起きて来るだろう・・・・・・・・・・・・・・・・。この僅かな慢心が引き起こしたものは、果たして後のやる気などではなく、後悔から来る嘆息であった。

さて、金曜日と云えば、一部の者たちに於いてはフライデーナイトフィーバーである(意味不明)加えて、GW前ともなれば期待に胸膨らむのは当然のこと。寝る前に、本日、わざわざ出向いて狩ってきた収穫を確認するとしますか・・・・・・・

(数刻経過・・・・・・・・)

腹を含めた色々な所が満たされたところで、流しを一通り綺麗にしてから寝ようか・・・・そう思って、おもむろに廊下の戸を開ようと取っ手に手をかけた。すると、

ジャボ

??ジャボ?

ピチピチチャプチャプ

妙な擬音語。そして、足の方から冷たい感覚が。瞬間、理性で理解できたのはここまでである。触れた足の感覚から視覚を延長させて、廊下を一通り俯瞰すれば、予想だにしないアナザーワールドがなみなみと横たわっていた。文字通り、波波とした水面がそこに広がっていた。

水である。水は、何とは無しに廊下側を超えて、マイルームにも侵入していた。その証拠に、床に置いてあったプリント、資料は既に水に蹂躙され死滅していた。水はデスクトップのテーブルにも及び、自分が座っていた座布団のすぐ傍まで及んでいた・・・・・・水は、何の意思も形も帯びずに不条理にその侵略範囲を広めていく。・・・・・・・・待て待て待て落ち着け、落ち着くんだ。ワケが分からん。何故、足を振り上げれば音がするくらい部屋が水浸しになっているのか・・・・・・・・。別に外は普通に晴れであった筈だ。雨も降らずに、自宅で水害。なんと非日常的な光景か・・・・・・いや、確かに現代系伝奇は好きではあるが、こんな展開は頼んでませんよ。作家先生。突然部屋に現れるのは、異次元の人外ロリと相場が決まっておろう・・・・・・・・・・・なんだこれなんだ

物事には、常に因果律というものがある。如何に理解を超える現象であろうと、推察と観察を繰り返せば、判からないことは無い筈だ。そうだ、ここは観察してみることとしよう。

ピチピチ

ジャブジャブ

らんらんらーん

そーれ

にゃうーん

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・嗚呼、見事に浸水してる。水攻めか。うっとりするくらい水攻めだ。うっとり。

最早、何も考えられなくなっていたが、とりあえず水上である廊下側へと出てみた。考えられる水源はよく考えれば、ひとつ。

>とりあえず食器を軽く流しながら水に浸しておくことで妥協した

流しか。




簡単に因果律を紐解くと

怠慢

食い終わった食器を水で軽く濯ぐため、蛇口を開けたままに

自分は自室でお楽しみ

排水溝が半ば塞がれていて十分に排水できない

流しに溜り続ける水

自室で自分はお楽しみ(気づいてない)

ああッ、もう限界っ(流しが)

自室で自分はお楽しみ(気づいてない)

臨  界

止め処も無く溢れ出す(水が)

自室で自分はお楽しみ(気づいてない)

流しから溢れた水は、逃げ場を求めて廊下を進んでいく

終に、廊下側を出て自室にまで浸水

自室で自分はお楽しみ(すぐ隣まで水が来ていることに気づいてない)

ようやく満足して、部屋の戸を開けようとする

ジャボ

ナンジャコリャ―――ッ

心なしか、濡れているッ!床がッ

・・・・・・・・被害は、なかなかに甚大である。プリント資料が水で原型を留めておらず、カーペット布団の類は水を吸って使い物にならない。不幸中の幸いか、破損した資料の中にシラバスや手続き書類など重要書類は含まれておらず、致命傷は免れた。また、パソなど電気機器に関しては、己自身が堤防となって水難を逃れた。これで、十数万相当の買いたてのパソが犯されたら、目も当てられないところであった。・・・・・・しかし、被害を省みる暇など在りはしない。とりあえず、水を排除しないと、寝れない。軽く見積もってもバケツ数杯分の水がぶちまけられている。この量となると拭き取る等というレベルではない。がんばろう・・・・・・・・早々に復興させなければ、この部屋は水で滅びる。そういえば、現実と虚構に於いて、水の都と称される美しい都は多々あれど、その多くの町では、水は安らぎと繁栄を与えるのと同時に、なみなみと満ちて町の地盤を侵し人を滅ぼし屠る一面もあると伝えられる。水は、流動性で形が無い。明確な形を与えられないということは、それだけて゛も恐ろしいことかもしれぬ。その事情は、非日常的な偶像や幻想も例外ではあるまいよ。形が確定できないが故に、それは死角ともなり得るが、同時にそうたり得るが故に“幻想”なのだ。だからこそ、美しい。そうだ。今日の自分は、最高にツイている。そうに違いない。こういうものは、常に想定外であるべきなのだ。嗚呼、水は部屋をなみなみと満たしたが、私の心もみたされたようだ。実に素晴らしい。生きてるって素晴らしい。ブリリアント。

そう思ふ。
タオルとモップを手に持ち排水に従事し、トランクス一枚で、暁に臨みながら。
そして、最も肝心なことといえば。
家事、怠けるな。励め。倹約しる。

・・・・・・・・・・はいorz

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コメント

つくる気になっても、片付ける気にならんのですよね。
幼馴染の真価は、ウマイ飯を作るよりも、朝起こしに来てくれるよりも、掃除、洗濯、洗いげに有りと見えたり。

真の小説家たるもの、予想外のハプニングは、次回作のネタとせよ。

投稿: Usaku | 2006/05/01 11:51

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