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2011/05/27

星空のメモリア-Wish upon a shooting star- レビュー

-瞬く星に想いを寄せて-----それは星空に託されたおとぎばなし。

 プレイしようと思っていたけど、長期間積んでいた星空のメモリアをクリアー。久々に魂が洗われるような、そんな理想的な癒しゲーに出会えた。

・システム

 問題なく使いやすい。地味にロード画面のコンテニュー機能が便利。セーブファイルは基本的にルートごと整理して利用してるけど、一発で前回最新のセーブを辿れるのは楽だ。

・音楽

 作品全体に漂うファンタジックな雰囲気とマッチしており、耳に残る。特に夜のシーンの曲は名曲ぞろい。ボーカル曲も、橋本みゆき・霜月はるか・茶太と鉄壁の布陣。夜寝る前に聞くときっと優しい気持ちになれるよ!

・グラフィック

 一目で分かる特徴的な塗り。好みは分かれるかもしれない。ただ、音楽同様に世界観というか雰囲気にマッチしている為、プレイしている内にこの塗りでなきゃヤダ、と思うようになった。確かに、これが都会の殺伐とした話だったらこの塗りは違和感しかなかっただろうと思う。また、背景が綺麗で風光明媚。舞台のモデルは北海道の小樽。夏の北海道の爽やかさが伝わってくるようだ。北海道に永住したい。

・シナリオ構成

 攻略対象は7人。メア以外の5人を攻略すると、展望台の彼女ルート・メアルートが解放される。全コンプ25~30時間くらい?
 構成はかなり練られていて完成度が高い。各ヒロインで伏線として描かれていたテーマと要素が、事実上トゥルールートである展望台の彼女ルート・メアルートでしっかり回収されている。だからこそプレイを終えて振り返ってみると、とても綺麗に纏まっているように思える。
 ただ、人によっては中盤に展開が読めて中弛みを感じるかもしれない。しかし、基本的に日常会話のテンポがいいのでそこまで睡眠導入剤にはならない。雰囲気が好きになれる人なら、心地良く感じられると思う。

・総評  ◎82点

 高いレベルで安定していて、隙のないオールラウンダー、というのが本作の印象。確かに鬼気迫るような展開や絵はない。しかし、だからこそこの調和して美しい世界観を維持出来たのではないかと思う。絵・音楽・シナリオと連携してひとつの幻想的な世界を作ろうとした、その戦略勝ち。しっかり構成から丁寧にやっているからこそ光る作品だろう。名作や奇作みたいな突き抜けたものはないが、秀作・佳作として安心してプレイ出来るそんな作品である。
 ハマる人はハマるし、ハマらなくても買った分だけの価値はしっかりある、そんな安心設計。エロゲ初心者にもおすすめ出来るだろう。

 以下、雑感。
プレイしなくてもいい人やクリアした人、幼馴染の幼女の聖水直飲みしたい人のみ閲覧推奨。

                                                       

                                                       

 プレイし終わっての印象として、徹底して“人と想いや願いが調和した世界”を描いていると感じた。そんな世界の媒介として宇宙や星空・流れ星のイメージがあって、物語にしっかり説得力を与えているなあ、と。

 こういう風に考えると、非常にKeyの世界観に近い。人と世界が想いを介して調和しているからこそ、奇跡が起こり得るという。救済されるには必ず条件があり、それを満たしたり自覚するからこそ奇跡が起こる。奇跡はご都合主義以上の意味を持つ。星空のメモリアはそこの辺りをかなり意識しているのではないかと感じる。再会・思い出・約束・願いなど、Kanonを思い出すようだった。

 各ヒロインでは恋に過ぎなかったものが、最終的に“隣に寄り添い合うことが出来る家族”というテーマに収斂していき、そしてそれを自覚することがトゥルーエンドへのトリガーとなっている。総評でも書いたけれども、だからこそ全体を通してまとまって調和している印象があるのだろう。

 ただ、その上で星空のメモリアは鍵ゲーとは違う独特な世界観を描けていると思う。天文学や宇宙物理学などのSF的な仕掛けと、神話や民間伝承・伝説といったファンタジー的な仕掛けを巧く混ぜあわしている為、どこか不思議な世界に思えてくるのである。単なる衒学ではなく全て伏線で綺麗に回収しているのも地味に上手い。少なくとも、星に関して理系的な関心がある人も、文系的な関心がある人もそれなりに楽しめるだろう。

 また久々にエロゲーで朝チュンしてしまった作品でもある。昔は、KanonやAirを徹夜でやって明るくなった外から射す朝日を浴びながらエンディングを見て日常に帰りたくない、と思ったものだった。その時には、自分の身は既に燃え尽きた灰のようになっていて、虚脱状態。作品が理想的に完成されていればいるほど、エンディングが終わって世界から締め出されるような、追放されるような絶望感がひどい。Finという文字が、完全に理想世界から自分を隔ていてどうしようもなくなる。ああ、永住したいイデア界に、と思ってしまう。最近は、計画的にエロゲをするようになりそんな気持ちを抱くこともなくなったが、久々に懐かしい感覚を味わったのだった…   

 北海道に永住して、メアの頭撫で撫でしてそして聖s(白目)

                                                       

                                                       

あと、各キャラの雑感

・明日歩

 ミス・パッケージヒロイン。Kanonで例えると名雪。だが、だからこそ愛おしい。奇跡に頼らないただの普通の子だからこそ、輝くのだ…!夢ルートでの明日歩が特に好き。あと、ふーりんは素晴らしい。

・衣鈴

 伏兵。小動物系後輩テンプレかと思って甘く見ていたら、内面はニュー速民だった。何を(ry)一度くらい「死んだらいいと思います」と言われてみたいね。

・千波

 ウザ系妹。妹キャラにしては全体での人気はないが、彼女は星メモに欠かせない存在。出てくるとテンポが良くなる。だからこそ、ヒロインとしては人気ないのかもしれないが…

・姫榊姉妹

 巫女シスターズ。ちゃんと設定の伏線を貼りながら、鏡合わせのようにちゃんとシナリオが纏まったのは良かった。あと、楠鈴音はやっぱりエロくてイイネ!

・夢

 恐らく、星空のメモリアの正ヒロイン。明日歩が名雪なら、夢はあゆであろう。とにかくシナリオはやばい。何度悶絶したか分からない。お姉さん属性を持ってない自分でもこれだけ来るということは、その手のキャラが好きな人はどうなってしまうんだろう…

・メア

 もう一人の正ヒロイン。初め夢の生霊モードがメアだと思っていた時期が僕にもありました…。杏子観津・ミステリアス・幼子で死のデルタアタック…。本編ではいちゃつき足りないから、これはファンディスクもやれということなのか…。商売上手だな、悔しいでもビクンビク(ry)

・レン

 何故攻略出来ない…! 攻略したい子がサブヒロイン、エロゲの常である。何だかんだ言って大河とレンのコンビは好きだ。あと、神村ひなは聞くだけで脳汁出るから個人的にやばい。

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