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2012/07/12

闇色のスノードロップス レビュー

-そこにあるのはただ愚かな勇気

 

 2011年7月に発売された『闇色のスノードロップス』をクリア。前回プレイしたのが『ゆきいろ』だったので、奇しくも雪に纏わるゲームを二本続けてプレイすることになった。しかし、前者が明るい学園ものなのに対して、後者は基本凌辱ものなので方向性は正反対ではあるのだが。雑感をここに記す。

 発売前から言われていたように、凌辱と純愛が綺麗に住み分けられており、ルート毎に結末が大きく異なる。大別すると、純愛展開・凌辱展開・ハーレム展開の三種類。ヒロインによっては凌辱無しでハッピーエンドを迎える展開もあり。ただ、当り前であるが作品の基調自体が黒箱系なので、その手の展開が苦手な人はプレイするべきではないだろう。

 全体を眺めると、ハーレム展開が取ってつけたように凄く浮いているのが気になった。純愛展開と凌辱展開は、闇に立ち向かう展開/闇に呑まれる展開、という具合に表裏一体なので切り離せないが、ハーレム展開は他のルートで描かれる闇が一切排除されていて、どうにもお口直しの為の出来の悪い夢のような印象しか残らない。むしろ、その分ヒロイン毎に凌辱のバリエーションを増やして欲しかった所である。しかし、重い展開に対する清涼剤だと考えれば、そこまで突っ込むべき所でもないのかもしれない。

 また、『闇色のスノードロップス』は元々同人ゲーム『くれうた』のリメイクであるが、同人の方は未プレイ。ちょいちょい話を聞く限りでは、『くれうた』では、メインヒロインの歩美ちゃんがほぼ別人で、非処女、展開に全く救い無しと、ビンビンに尖ったキャラだったようである。流石に商業ではここまでの博打は打てず、設定を変える他なかったのだろう。歩美ちゃんの置かれた状況からして、非処女でも違和感はない…、むしろ個人的には非常にそっちの展開の方が見たかったので機会があったら『くれうた』もやってみる所存。

 プレイ時間大体20時間くらい?ボリュームも十分あり、存分に楽しめた。満足。

 以下、各ルート雑感。プレイ済みの人、ネタばれを気にしない人のみ閲覧推奨。(ネタばれ 歩美ちゃんは処女)

 

・雪乃

 ボインボインの立ち絵から分かるように、たび重なる凌辱でとても肉体的に不遇なヒロイン。本筋の話では、凌辱が不可避な辺りとても不憫な娘である。バリバリ寝取られるが、折角の幼馴染のアドバンテージが生かされていないように感じて少々残念。そこをもうちょっと寝取られに引っ掛けて煽ってくれたら良かったのだが… 

 

・今日子

 一応、雪乃ルートから派生するサブヒロイン。飄々とした人とナリで売春をしているが、実は心に寂しさを抱えている、といった具合にとても魅力的な娘。なのだけれど、何故かルートに入ると娼婦設定がさっぱり語られないというサプライズ。どういうことなの… 後、実は唯一凌辱されない娘だったりする。彼女のルートは、雪乃との三角関係に終始してしまって彼女自身の闇が描かれなかったのは残念という他ない。

 

・茜

 凌辱こそ少ないものの、ゲームの都合的に不遇なヒロイン。バッドエンドを回避して、いざグッドエンドと思ったらそうはいかず、後味が物凄く悪いエンドにしか行き着かない。一抹の希望こそあるものの、人間関係のブレイク具合と言ったら他のヒロインのバッドエンドと同等である。流石にハーレムルートならば救われるが、そこはあくまでハーレムルート。悠依を加えたイチャラヴではいまいち救われてる感がないのが無常。

 

・悠依

 みんな酷い目に遭っている中で、それなりに優遇されて特別なポジションにある娘。彼女のルートだけ一切凌辱要素がない、純度100%の白箱系展開。しかも、恋愛から出産まで描いた幸せ家族計画アフターストーリー。眩しい、眩しすぎる。「へっへっ、嬢ちゃんめんこいじゃねえか…おにいちゃんと遊ぼうぜぇ」といった心持でまず凌辱展開に進もうと思った途端、これである。精神的に失明しそうになった。ラストシーンの一枚絵が、このゲーム中でもっとも精神にダメージを与えた一枚であった… や、やめろ、そんな至福に満ちた目で俺を視るなァ! 

 

・歩美ちゃん

 処女。設定的には非処女であっても違和感はなく、先にも述べた通りその辺が気になるのなら『くれうた』をプレイするべきなのだろう。「初物」や「処女」といったフレーズがこのルートで強調されるのは、旧作に対する意趣返しなのか。精神崩壊エンドは、まさに王道で心をザクザク痛められる。一方でもう一つのエンドは、蛇足に過ぎない、という風に捉えることも出来るかもしれないが、自分としては十分に意味のあった結末だと思いたい。これまで不条理や悲しみに翻弄され続ける少女達の姿を見てきたからこそ、雪降るスノードロップの草原での歩美の告白は心に沁み入る。やはり、『闇色のスノードロップス』は彼女の、この結末の為にあるタイトルだろう。

 

・総括 

 プレイした感想を総括すると、『闇色のスノードロップス』は非常に「泥臭い」感じだったと言える。初めは、強固な権力基盤を持った地域の暗部に立ち向かい、その秘密を解き明かしながら告発していくような物語だと勝手に想像していた。でも、実際は突然不条理な状況が襲いかかってきて、それに対してただただ頭から突っ込んでいく展開ばかりで少々拍子抜けした。凌辱にしても、悲惨な状況ばかりが先行し、配達店が陰で営む売春斡旋・人身売買の組織性とその全容がぼやけていて、やや気が削がれた。ゲスの悪行の背景が分からない内は、当の行為にどの程度リスクがあるのかが測れず、もやもやして楽しめない。真相の解明より、ヒロインを闇から救うことが優先されるのだからそれもしょうがないと言えるが、期待していたものと違って肩すかしを食らった感は否めない。そうやって状況に対して場当たり的に行動していく所が、いかにも泥臭い。

 ただやっていく内に、状況に流されてズブズブ嵌って振り回されること、これがどうして面白くなってきた。特にBadルートでは、状況に流され続けることが、逆に主人公の悪堕ちを際立たせている。前半でストックしたフラグを凶器に代え、ヒロインを一人また一人と散らしていく。特に信念も信条もない典型的な優柔不断主人公が、黒く輝いた瞬間であった。このルートがあるからこそ、ある状況から抜け出せないジレンマという闇にスポットが当てられたように思う。そしてハーレム展開を削る代わりに、こういった闇堕ち展開を増やしてくれた方がより良かった、と個人的に感じた。そうすれば、ジレンマを吹っ飛ばす「勇気」により説得力が出、凌辱にも張りが出たのではなかろうか。

 思えば、まず状況ありきで力技の展開ばかりだった、しかし不思議と悪くなかった。結局終わってみると、ゲーム内の展開と同じように、純愛・凌辱・ハーレムと様々なシチュエーションに節操無く流されてしまっていた。ある意味、悠依ルートのエンディングで叔父が、孫が出来た途端に掌を返して売春斡旋をやめてしまうシーンからにじみ出る節操の無さが、『闇色のスノードロップス』の全体的な印象をよく表しているのかもしれない。なんと小市民的なことか。「そこにあるのはただ愚かな勇気」、そのキャッチコピーに違わぬ泥臭さで振り回されたり、泥に脚を突っ込まされたり、てんやわんやであったが飽きずに最後までプレイ出来た。そんな風に思えた一本であった。

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コメント

登場人物が結構アホだな。ある意味リアルかもしれん

投稿: | 2013/02/12 23:15

登場人物のの行動が行き当たりばったりだったり、短慮だったり、そういう部分は目につきますね。
良くも悪くも「愚かな勇気」かなと。

投稿: ネ右 | 2013/02/13 17:56

ええこと教えてあげるよ。(^-^)vファーストキスをしてない処女の女の子は梅の花の香りがするんだよ。(^-^)v

投稿: ぺきーん | 2013/11/05 20:13

夜寝る前に梅昆布茶を飲めば、処女の女の子の香りに包まれながらリラックスして寝ることが出来るということですね!これで快眠です!

投稿: ネ右 | 2013/11/06 17:57

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